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ポエム

なんか間違っている気がする AIの導入

arthur

考課資料の作成に AIを導入した

私が所属している会社には考課という個人の目標を管理する試みが行われています。 プログラミングなどの業務で AIを使うことは認められていないものの、こう言った直接業務とは関係ないものは徐々に AIが使われるようになってきました。
確かにこう言った業務に AIを活用して効率よく終わらせようという考えには賛成です。また、 AIを使わない仕事はホワイトカラーの職業ではどんどん減っていくという流れも当然の流れだと思っています。しかし、この考課というイベントを通して AIを積極的に活用させられることに違和感を覚えたので感想を述べたいと思います。

AIを活用することになったきっかけ

考課目標には前期の振り返りコメント、今季の目標ならテーマ、達成基準、達成までのプロセスを書く必要があります。
はじめのうち、これらの文章は自分で書いて提出していました。 AIを活用しようとなったきっかけはチームの上長・・・一番偉い人が考課面談で文章の体裁が整ってないから AIに清書してもらえば?と指摘を受けたことでした。
上長は AIに清書してもらった結果に大変感銘を受けたらしく、全員全ての文章を AIに添削してもらうべきだと考えたようです。

AIが清書していない文書は正式な文書じゃない

先に申し上げたとおり AIに清書していない文章は全て AIに清書してもらうことを求められるようになりました。
結果として全ての考課で書く文章に対して、AIで清書してもらうことというレビューが返されるようになりました。
そう、AIに清書してもらっていない文章は成果物として認められなくなったのです。
一方で AIに添削してもらったといえば、多少違和感のある文章でもレビューが通るようになりました。一度、 AIに清書してもらっていない文章を AIによって生成された文章ですと偽って提出したところ、 AIが書いたならとノーチェックで通すことができました。

この状況に違和感を覚えた理由

私はこの状況に違和感を覚えました。その違和感の理由を考えたところ、私の AIに対するスタンスが少し分かりました。
私は 生成 AIのことを自分が知らないことと面倒臭いと思っていることをやってくれるツールと捉えているのだと思います。それに対して、上長は成果物の品質を一定に保つことができるツールと捉えているのだと思います。
そのスタンスの違いから、私は自分で書ける文章をわざわざ AIに書いてもらう必要がないと考えるのに対して、上長は全ての文章を AIに添削してもらうべきという方針の差が出るようになったのだと考えました。
またノーチェックで文章が通ったのは、一定の品質を保証された文章だと考えている証左だと思います。

おそらく私のような考えは受け入れがたくなってきている

私は自分でできることは自分でやってもいいと思っています。プログラミングを人間がやってもいいし、文章を人間が書いてもいい。
ただ、一方でこの考えは主流派でなくなっていくだろうとも思っています。
ノーチェックで通すのは AIを信用しすぎですが、それでも AIの回答の精度は日々向上しています。すでに AIエージェントというものが登場しており、自然言語で依頼することで一連のタスクを考えて、自律的に仕事をしてくれるようになってきています。こうなってくると、いずれは人間が全ての仕事をチェックするという行為が、作業のボトルネックになってくる時代がやってきそうです。上長の考え方は時代を先取りし過ぎているきらいはあるものの、必然的な流れとも言えるのかもしれません。

さいごに

今回の全てを AIに委ねるという試みを通して、私の AIに対するスタンスが少しわかってきました。私は比較的 AIを利用している方だと思っていましたが、まだまだ AIを信頼しきっていなかったのかもしれません。実際に私は AIが生成したコードは全て内容を確認しています。文章も AIが生成してくれた内容を全て採用するのではなく、自分が気に入った文章の部分だけを採用して、一部自分で修正しています。
私と上長のスタンスの違いは、どこまで AIに自分を委ねるかの程度の問題でしかありません。 AIが身近になるにつれて、これからは全てを AIに委ねる時代が来るのかもしれません。

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