なぜ働いていると本が読めなくなるのか
タイトル | 働いていると何故本が読めなくなるのか |
著者 | 三宅 香帆 |
出版社 | 集英社新書 |
形式 | 新書 |
ページ数 | 288 |
ISBN | 978-4087213126 |
はじめに
少し前まで読まない本が積みあがっていた。
当時は労働時間が長くなりがちで、家に着くのが22時過ぎということも多かった時期と記憶しています。その時趣味の時間がどれほど取れていたのかまでは記憶していません。しかし、余裕がなかったことだけは分かります。当時の時点で5年近くプレイしていたFGOというゲームの報酬を受け取れていない時期があるからです。本も買っていたものの手が付けられていなかった。最近になって、ようやく落ち着いてきて、そのころに勝った本を少しづつ読み進めている。
「働いていると何故本が読めなくなるのか」はそんな、本・・・というより余暇を楽しむことができなくなる原因を日本の労働史から読み解いていく本である。
半身で取り組む
前述したとおり、ここ数年の私は趣味だったゲームも読書も手につかなかった。時々やる気になっても「今は疲れているからもっと調子がいいときに手を付けよう」などと考えて後に回してしまっていました。
そう考えて、先送りした映画やアニメはいまとなってはAmazon Prime Videoでは追加料金なしには見れなくなってしまいました。
余裕が出てきてようやく気が付いたのですが、作品に本気で取り組めるほど調子が良くて、しかもまとまった時間があるときなどそうそう来ないのです。
この本でも労働をしていると趣味をする余裕がなくなる人々がいることが紹介されています。おそらくだが、趣味も半身で取り組んでよいのだという気付きを得ることができました。
趣味も100%本気で取り組まなくてもよかった
私の場合は少しずつでも作品を読み進める方が、保留にしておくよりもやる気が出てくることに気づきました。わたしは作品や他人に影響を受けやすい性質だったのです。気持ち仕事の方もスムーズに進むようになった気もします。
もちろん、かつて考えていたように最高に調子がいいときに作品に触れることができればそれはきっと素晴らしいことだと思います。でも、そんなに意気込むことはなかったのです。少なくとも、わたしは結構楽しく趣味に取り組めています。
おそらくこれが本書で言うところの半身で取り組むということなのかと思いました。
やっぱり働いていると本は読めない
本書を読む限りではいつの時代も余暇というものは少なく、読書の対象は自分を成長させてくれる気がする本が主だったことがわかります。
今に限らず、過去の人々も現代人と同様に余暇が限られていた。
SNSをみると趣味をすごく楽しんでいる人たちがたくさんいるように感じられる。でも、この本を読んで自信をもっていうことができます。働いていると本は読めない。