人間関係を整理しろ言うけれど
人間関係を整理しろと言うけれど
最近、YouTubeやXを見ていると「自分を不快にさせる人とは縁を切れ」という意見をよく見かける。
たしかにその考え方には一理ある。愚痴ばかり聞かされる、約束を守らない、気を遣ってばかりで疲れる。そんな相手と無理に付き合い続ける必要はないだろう。
しかし、私はこの考え方に素直にうなずくことができない。
なぜなら、私は人間関係を整理された側の人間だからだ。
人間関係を整理した先にあるもの
人間関係を整理すること自体は悪いことではない。
ただ、それによって失われるものについては、あまり語られていないように思う。
人間関係を整理しても大きな問題になりにくい人もいる。新しい人と出会うのが得意な人もいるし、すでに豊かな人間関係を持っている人もいる。一人の時間を楽しめる人もいるだろう。
しかし、そうではない人もいる。
私のように友人がほとんどいない人間にとって、人間関係を失うことは単に連絡先が一つ減るという話ではない。
生活そのものが変わってしまう。
友人を失って知った孤独
私は以前、毎週のように一緒にゲームをしていた友人がいた。
その友人との関係が終わったとき、自分が思っていた以上に大きな喪失感を味わった。
友人と協力プレイするから楽しかったゲーム。
クリアしたシナリオについて語り合う時間。
何気ない雑談。
それらは当たり前のように存在していたが、失って初めて大きな価値があったことに気付いた。
気付けば、日々何をして過ごせばいいのかわからなくなっていた。
ゲームそのものは変わっていない。それでも楽しさは以前の半分以下になったように感じた。
人とのつながりは、それほどまでに日常を支えていたのだと思う。
私が人間関係を簡単に整理できない理由
現在の私は、家族以外との関係がほとんどない。
だからこそ、人間関係には多少の不満があっても簡単には手放せない。
姉とは会話がかみ合わず、不快に感じることもある。
心療内科の先生との診察でも、以前話した内容を覚えていないように感じることがある。
それでも私は関係を断とうとは思わない。
なぜなら、相手にも事情があるだろうと考えているからだ。
そして何より、私は孤独のつらさを知っている。
完璧な人間関係など存在しない。
多少の不満やすれ違いがあっても、それだけを理由に関係を切ってしまえば、後に残るのは孤独かもしれない。
もう一度だけ考えてみてほしい
もちろん、自分を著しく傷つける相手や、心身に悪影響を及ぼす相手から離れることは大切だ。
しかし、単に気が合わない、欠点がある、不快な瞬間があるという理由だけで関係を切ろうとしているのであれば、一度だけ立ち止まって考えてみてほしい。
その人との関係は、本当に失っても構わないものだろうか。
人は変わることがある。
関係性もまた、時間とともに変化することがある。
私自身、人間関係を整理された側の人間だからこそ思う。
孤独は、多くの人が想像する以上につらい。
だから私は、「人間関係を整理しろ」という言葉を聞くたびに、その先にいるかもしれない孤独な誰かのことを考えてしまうのである。

